太陽光発電所のトラブルとその影響

 太陽光発電所は他の種類の再生可能エネルギーを利用した発電所に比べれば故障は少ないと言われておりますが、それでも長く運営していると様々なトラブルに遭遇します。その中でもよくあるトラブルを下記にまとめました。

【落雷などによる停電
 発電所がある地域で停電が起きると、パワコンはすべて停止してしまいます。そうなると、通電が再開してもほとんどのメーカーのパワコンは自動的には復帰しませんので、誰かが現場に行って復帰作業を行わなければなりません。復帰するまでは売電が完全に0になってしまいますので、被害が最も大きいトラブルのひとつと言えます。対策としては遠隔監視装置を設置して常に監視しておくと被害を最小限に抑えることができます。監視装置が無い場合は、定期的にインターネットで落雷予報や落雷履歴を確認し、落雷がありそうな日の前後に現場確認をするのが良いと思います。あとは近隣住民にご協力をいただき、停電が起きた時に知らせてくれるようお願いしておくと安心です。

【鳥による落石や糞
落石
 パネルの破損や鳥の糞などで日光をふさいでしまうと、その部分の電気抵抗値が極端に高くなり、高温になってしまうことがあります。最悪の場合、下記に記載している「ホットスポット」になってしまうこともあります。

ホットスポット
ホットスポット(表面)
 上記の理由などでパネルが焦げたり燃えたりするホットスポットになってしてしまうことがあります。ホットスポットになるとケーブルが燃えて断線する事もありますので、そうなると同じ回路につながっているパネルで発電した電気もパワコンに送ることができなくなります。その結果、その回路だけではなく、そのパワコン全体の売電量も減少させてしまうこともありますので、大きな被害をもたらします。

【パネル内部の断線(半田剥がれ)】
 パネルには発電した電気を送るバスバーという電線がたくさん貼られていますが、何らかの衝撃によってそれが切れたり剥がれたりすると、同じ電線でつながっているセル(約15cm四方の四角い板)で発電した電気を送ることができなくなってしまいます。同じ電線でつながっているセルはパネル全体の3分の1ですので、1ヵ所だけの発生であればそれ程被害は大きくなりませんが、施工が雑な業者が設置した場合、設置時に衝撃を与えてしまい、後々たくさんのパネルでこういった故障が発生することも考えられますので、注視する必要があります。

防草シートのめくれ
シート剥がれ
 「太陽光発電所の雑草対策(防草シート・砂利)」にも記載していますが、防草シートの設置方法を誤ると、風で簡単にめくれてしまいます。そうなるとそこから雑草が生えてきてパネルに影をかけてしまいますので、早急に補修をしなければなりません。

積雪
積雪パネル
 上記の写真はかなり極端な例ですが、パネル全面が雪で覆われると当然ながら発電量は0になります。ただし、積雪の本当の怖さはそこではなく、その重みでパネルを破損し、架台を変形させてしまうことです。パネル表面のガラスが割れてしまうと内部に水などが入ってショートしてしまう恐れがありますので、交換しなければなりませんし、架台も修理して元の形に戻すことは当然として、再び変形しない為に補強もする必要があります。これにはかなりの費用が掛かることは想像に難くありません。

 → 太陽光発電所の保守・メンテナンスの重要性

住宅用太陽光発電設備無料設置の仕組み

 住宅用太陽光発電業界に画期的な新サービスが生まれました。その名は「フリーソーラープロジェクト」です。手掛けるのは愛媛県松山市の「株式会社デンカシンキ」です。その新しいスキームは”100%発電払い”というもので、その仕組みは下記の通りです。
●設備の投資家を募り、無料で設備を設置する
●デンカシンキグループの新電力「坊ちゃん電力」が余剰電力の買取に加え、自家消費分もオーナーから回収する
●上記で回収した料金が投資家へ支払われ、投資家の利益となります。
●上記の累積金額が設備費用に達した段階で、所有権を投資家から住宅オーナーに移す
 発電した電力をすべて設備投資の回収に充てることで、電力会社の切り替えなしで平均8年5ヶ月で設備譲渡を可能にしています。しかも4年に1度の無料メンテナンスも付いておりますので、オーナーは安心してご利用いただくことができます。また、投資家にとってもメリットが大きく、実質利回りは12%以上をたたき出しております。これは固定買取価格制度の中でも価格の高い余剰買取を利用しているからです。平成29年度の余剰買取価格は30円/kWhで全量買取の21円/kWhを大きく上回っています。
 太陽光発電設備はオーナーにとって初期投資額大きくなることが導入のハードルを高くしています。しかし、今回紹介させていただいた「フリーソーラープロジェクト」のようなオーナーの負担を軽減するサービスがどんどん出てくると、太陽光発電はもっと加速度的に普及が進み、設備価格の低減につながっていくと思いますので、メーカーや販売店にはこれからは更に一層知恵を絞ってもらいたいと思います。

 → 太陽光発電投資は本当に儲かるのか

太陽光発電設備投資に関する減税措置

 太陽光発電設備に投資すると、様々な税金を納めなければならなくなります。所得税(法人の場合は法人税)、消費税、そして固定資産税です。平成29年4月以降に取得する設備に対して減税措置があるのは固定資産税です。この制度は「中小企業等経営強化法」によって定められており、その概要は下記の通りです。
●太陽光発電設備の中でこの制度が利用できる部材は太陽光パネルとパワコン。ただし、詳細は事前に管轄市町村にご確認ください。
●適用期限は平成29年4月1日~平成31年3月31日に取得した設備
●申請期限:設備の取得後60日以内。取得日は一般論的には売電開始日だと解されていますが、この点もやはり事前に管轄市町村にご確認ください。
●減税内容:3年間固定資産税の課税標準が半額になります。
 申請手順は下記の通りです。
1.販売店経由でメーカーが作成する証明書にメーカーと日本工業会の捺印をもらってもらう。
2.事業主が申請書(経営力向上計画)と証明書を管轄市町村に提出する。場合によっては設備取得代金の明細などが必要になります。
 証明書の取得には1ヶ月ほどかかりますので、余裕をもって申請するようにしてください。
 野立て太陽光発電所などの全量買取を行っている設備の減税措置は固定資産税のみですが、工場の屋根などで自家消費を行っている設備は即時償却(設備費の全額損金算入)が可能な場合がありますので、管轄税務署にご確認されるのが良いと思います。
 → 経営力向上計画策定の手引き
 → 経営力向上計画に関するQ&A集

 太陽光発電投資に関する法人税の減税措置は、これまで「グリーン投資減税」「生産性向上設備投資減税」「中小企業等経営強化法税制」と形を変えつつも続けられてきましたが、平成29年度以降はすべての制度が適用できなくなったり終了したりしてしまいました。これは法人における太陽光発電投資の促進に大変大きな影響を及ぼすと思います。私は太陽光発電の普及に法人の資金力は不可欠だと思います。
 政府は再生エネルギーの割合を30年度に22~24%へ高める計画を打ち出しており、うち太陽光は7%で、今より4千万キロワットの上乗せが必要になります。経済産業省は改正FIT法の施行に伴う認定失効の暫定推計値を27.77GW(46.6万件)と公表しましたが、この数は未稼働案件48.82GWの半分以上になります。こういったことから、我が国日本ではこれからもまだまだ太陽光発電所を作っていかなければなりませんので、それには優遇税制特に法人税の減税は不可欠だと思います。

 → 太陽光発電の改正FIT法における事業計画の提出方法

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太陽光発電所の保守・メンテナンスの重要性

 太陽光発電所は再生可能エネルギーを利用した発電所としては最も故障が少ないと言われております。4,5年前まではメンテナンスフリーとまで言われていましたが、普及が進み年数が経つにつれて、故障の種類や傾向が徐々に明らかになり、近年ではやはり保守・メンテナンスは重要なんだという認識がかなり強まって参りました。そして、29年4月に施行された改正FIT法では、とうとう低圧発電所でも保守・メンテナンス体制の構築を義務付けました。
 それに伴い、国によって策定された「事業計画策定ガイドライン」の低圧発電所の保守・メンテナンスに関する項目は、要約すると下記の様な内容になります。
●発電設備の事故や発電量の低下が発生した時に、速やかに対応ができる体制を構築する
●発電量の低下や不慮の運転停止を未然に防ぐために、遠隔監視装置を利用して発電量の監視や分析を行う
●落雷・洪水・暴風・地震などの自然災害が発生した際に、速やかに発電設備の状況を確認し、被害が拡散しないよう対処する
 保守・メンテナンスの義務化は今までこれを行っていなかった事業者にとっては、経費が増えて利益が減ってしまうということになりますが、私はこの制度は太陽光発電業界にとってとても良い制度と言いましょうか、当たり前の制度だと思っております。この制度が無かったことが異常だったと思います。その理由と致しまして下記が挙げられます。
●太陽光発電所は個人でも所有できる小規模なものもありますが、生活する上で非常に重要な電気を作って送り届けるインフラの一翼を担っている為、故障させてはならないから
●地域密着型の産業ですので、近隣住民に被害や不安を与えてはならないから。
●今後太陽光発電所の中古市場が盛り上がってくると思いますが、転売する際に買い手がその発電所の正確な能力や状態、故障の履歴などを知ることができ、無用のトラブルを防ぐことができるため。また、発電所が適正な価格で転売されるようになるため。
 この保守・メンテナンスが太陽光発電所に標準搭載されるようになれば、故障や事故は激減しますので、事業主は安定して事業を運営する事ができます。さらに近隣住民とのトラブルも激減しますので、業界全体としても新規稼働件数が順調に伸びて、より一層安定電源としての市民権を得ることにつながっていくと確信しています。

 → 太陽光発電の改正FIT法における事業計画の提出方法
 

太陽光発電投資は本当に安全か

 → 太陽光発電投資は本当に儲かるのかの続きです。

●「災害やいたずらなどで設備が損傷してしまったらどうしよう」
 こういった被害には保険で対応いたします。保険会社によっては太陽光発電設備向けの保険商品も用意されておりますので、販売店経由で資料や見積書をもらうことができます。太陽光発電設備では以下の3種類の保険を組み合わせて使うことが多いです。
普通火災保険(地震補償特約) → 火災や風災、落雷、地震などによって設備に生じた物的損害
施設賠償責任保険 → 設備の所有や使用に起因して他人に身体障害や財物損壊を与えた場合の損害賠償
利益総合保険 → 設備が物的損害を受けた事による喪失利益(売電補償)
 これらすべてに加入しておけば、天災や人災による損害をほとんどカバーしてくれますので安心です。ただし、詳細な部分は保険会社によって異なりますので、よくご確認ください。保険料は地震特約をつけても年間で設備補償額の4%前後とそれ程高くはありませんので、ご加入されることを強くお勧めします。
●上記以外のリスク
 それ以外のリスクとしては停電や積雪などによるパワコン停止や発電量の大幅な減少が考えられますが、どんな異常が発生した場合でも遠隔監視装置で常に監視しておけば、早期発見が可能です。時間的にご自身で監視するのが難しい場合は、専門の業者に依頼することもできますので、こちらも導入を強くお勧めします。監視装置の金額は本体と10年分の通信費込みで30〜40万円くらいですので、費用対効果は高いです。異常があることが分かればすぐにメンテナンス業者に点検修理を依頼できますので、売電損失は最小限で済みます。
 上記のリスク回避のためにある程度の費用が発生しますが、利回りで換算しても1%程度減少するくらいですので、太陽光発電投資が他の投資に比べて利回りが良く、リスクも少ないという優位性は全く揺るぎません。投資を迷われている方はまずは下記の様な販売サイトで物件を探してみてはいかがでしょうか。

 → 《公式》タイナビ発電所はココ!土地付き太陽光発電の投資物件検索サイト
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運営者:天意(てんい)
2013年に太陽光発電部材の輸入販売を開始し、完成物件(産業用)の販売も手掛けております。
これまでに販売した太陽光発電所は約20件で、自社でも6件保有しております。
太陽光発電初心者が安心して購入するための知識や、業界の現状を現場目線でお伝えしていきます。

 
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