太陽光発電システムの構成

太陽光発電システムの構成


・系統連系システムの種類
一般に商用の配電線網を「系統」といいます。この系統に発電設備をつないで運転することを「系統連系」といい、現在普及している太陽光発電システムのほとんどは系統連系システムです。
系統連系した状態で施設の電気系統を運用している場合、需要が多くなるとその余剰電力は系統を通して電力会社側へ戻っていきます。これを逆潮流といいます。
系統連系システムは、逆潮流ありのシステム(余剰電力買取システム)と逆潮流なしのシステム(自家消費システム)、非住宅を主体とした全量買取システムの3種類に区分することができます。

(a)逆潮流ありのシステム
太陽光発電システムに余剰電力が生じた場合に電力会社が買い取る制度を利用したもので、平成21年11月の制度が開始されました。
太陽光発電は、その出力が天気に大きく左右されるので、安定した電力を使用するためには電力会社と系統連系して運用する必要があります。
晴天日など、太陽光パネルからの出力が施設内の消費電力に対して不足する場合は、その不足分を系統連系から補う仕組みになっています。
夜間や悪天候時など、太陽光パネルからの出力が足りない場合は、従来通り電力会社から供給されます。
また、停電時には、電力会社の系統連系と切り離して、非常用照明や通信機器に電力を供給させることができる自立運転機能付きのシステムも多く採用されています。

(b)逆潮流なしのシステム
工場など施設内の電力需要が常に太陽光パネルからの出力より大きく、余剰電力があまりないため逆潮流電力を生じる可能性がない場合に採用されます。
このシステムでは、系統連系へ余剰電力を逆潮流させることが認められないため、逆方向の電流が少しでも生じた場合に太陽光発電システムの出力を下げたり、運転を停止したりする機能が必須となります。

(C)全量買取システム
平成24年の固定価格買取制度が運用開始となって以降、急速に拡がりました。住宅以外の10kW以上となるシステムにおいては、ほとんどがこの制度を利用しています。
その名前のとおり、発電した電力を全量、電力会社に系統連系し売電するものです。電力会社には、20年間固定価格での買取が義務付けられています。



では、太陽光発電システムを構成する機器にはどのようなものがあるのか、ご説明しましょう。
・太陽光パネルとアレイについて
今回は、最も導入量が多いシリコン系の太陽光パネルを例にとって説明します。太陽光パネルは、太陽の光エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を有する最小単位である「太陽電池セル」が基本となります。太陽電池セルは10~15㎝角の板状のシリコンにpn結合(ポジティブとネガティブ)を形成した半導体の一種です。太陽電池セルは、1つでは発生電圧が小さいので、直列に接続して太陽光パネルとして用いられます。

数十枚の太陽電池セルを耐候性パッケージに納めて構成されているのが、太陽光パネルです。
シリコン系の太陽光パネルは、その材質によって変換効率が異なります。
変換効率は、単結晶シリコン太陽光パネルが15~19%、多結晶シリコン太陽光パネルが13~15%、薄膜シリコン太陽光パネルが8~10%、その他の化合物太陽光パネル(CIS,CIGSなど)が11~12%となっています。
変換効率の良いものはコストが高い場合が多く、また、色や柔軟性にそれぞれ特徴があるため、効率や設置性を考慮してパネルが選択されます。

太陽光パネルを、鋼材等を用いて屋根や地上に設置した全体を「太陽電池アレイ」といいます。
太陽電池アレイは、複数枚の太陽光モジュールを直列または並列に接続して必要な直流電圧と発電電力が得られるように構成されます。
「電池」という言葉のイメージから、太陽電池は蓄電するイメージをもたれることがありますが、蓄電するのではなく、パネルを直列、並列に接続して構成することから「太陽電池アレイ」と呼ばれているのです。



・パワーコンディショナとは
パワーコンディショナとは、パワコンと呼ばれ、直流を交流へ変換するインバータと、事故等の場合に系統を保護する系統連系保護装置等で構成されています。
インバータは、太陽電池アレイで発電した直流電力を、電力会社から供給される電力と同等の電圧と周波数の交流電力に変換します。
パワコン主要部分はこのインバータであるため、パワコン自体をインバータと呼ぶこともあります。

パワコンから供給される電力と、電力会社から供給される電力との関係についてご説明しましょう。
例えば、住宅内で1kWの電力を使っているとします。パワコンから供給される電力が3kWであれば余剰の2kW分は電力会社の配電線へ逆潮流し、電力会社へ買い取ってもらうことができます。
逆に住宅内の電力需要がインバータから供給される電力よりも多い場合は、不足分の電力が電力会社の配電線から流れ込んで補うことになります。
 なお、10kW以上のシステムでは、固定価格買取制度により発電した電気をすべて電力会社に系統連系し売電することができます。これが、全量買取制度です。
連系保護装置の部分は、電気設備の技術基準の解釈で規定されている安全装置として働きます。
この連系保護装置は、周波数の上昇・低下の検出や過不足電圧の検出をはじめ、電力会社の配電線の停電検出(単独運転検出)により太陽光発電システムを系統から一時的に切り離すための安全装置として機能します。
連系保護装置はインバータに内蔵されるのが一般的であるが、別置きで設置される場合もあります。



・関連機器と部品について
太陽光発電システムを構成する、その他の関連機器と部品についてご説明します。
●接続箱
接続箱とは、ストリング(太陽電池アレイの1単位)ごとに発電した直流電力を、ある一定のブロックごとにまとめ、パワコンまたは直流集電箱に供給するための盤です。
住宅用では、ほとんどが接続箱1台でまかなわれますが、産業用は規模が大きいため、複数台の接続箱が使用されるケースが多くみられます。
●集電箱
集電箱には、直流側(太陽光パネル側)で使用する直流集電箱と交流側(系統側)で使用する交流集電箱があります。
直流集電箱とは、メガソーラーなどパワコン容量が大きなタイプを使用する場合に主に用いられ、複数の接続箱でまとめられた直流電力をさらに大容量にまとめ、パワコンに供給するための盤です。
交流集電箱とは、中規模システムなど、容量の小さなパワコンを複数まとめて系統または受変電設備へ供給するための盤です。
●キュービクル式高圧受電設備
パワコン出力を集電して高圧に昇圧する変圧器、主遮断装置、低圧遮断器などの機器を備える設備です。
系統連系規定に基づき、OVGR(地絡過電圧継電器)など、保護継電器を実装しています。
総称して「キュービクル」と呼ばれることもあります。


太陽光パネルの影の影響

響とPID

ホットスポットバイパスダイオード
太陽光パネルは、「太陽電池セル」という小さな半導体の集合体です。セルは直列につながっていて、発電した電気はセルの中にある電線を通って流れていきます。
セルを流れている電気が何らかの原因で流れにくくなると、抵抗が次第に大きくなって、電気が滞ってしまいます。
その際に太陽電池セルに直列で接続されている他の太陽電池セルの全電圧が印加され、発熱します。これを「ホットスポット」といいます。
太陽光パネルのガラスに鳥のフンや落ち葉がついたり、雑草が伸びてしまってになるなどした場合に起こる他、太陽電池セルに欠陥または特性劣化が生じた場合にも起こります。
これを防ぐために、太陽光パネルには通常、太陽電池セル数個単位で太陽電池セルの電流と逆方向になるよう、並列に「バイパスダイオード」がついています。
太陽光パネルは太陽電池セルを直列に接続した「ストリング」で構成されています。バイパスダイオードは、このストリングを保護します。セル表面に当たる光量に大きな差ができたとき、バイパスダイオードが働き電流を通します。
道路でいう「一般道路」と「バイパス」のような関係ですね。
太陽光パネルができる時、ストリングに沿ってができる場合は太陽光パネルの日陰面積に応じてI-V特性の電流が減ります。
一方で、すべてのストリングにまたがって、一部がになる場合は、太陽電池アレイの電圧がへっていく為、接続するパワーコンディショナが動作しなくなってしまいます。

PID現象について
PID(Potential Induced Degradation)現象とは、高圧の太陽光発電所などで太陽光パネルを多数、直列に接続し高電圧下で運用した場合に発生が懸念される劣化現象で、発電量が大幅に低下するのが特徴です。
太陽電池セルと大地との間の設置電圧は太陽光発電システムの設計によって異なりますが、1000Vの電圧を抑制しながら温度50℃、相対湿度50%の環境下で太陽光パネルを48時間維持すると出力特性が40%以下に低下するものがあることが、ドイツのフランフォーファー研究所から2012年6月に報告されました。
このPID現象は、太陽光パネルに高電圧が印加されることにより、ガラス中のナトリウムイオンが太陽光パネルの電気特性を低下させる現象として知られています。
システムを設計する上での対策も検討されていますが、どのような太陽光発電システムでも安心して利用できるように、太陽光パネルそのもののPID耐性を確認する公的な試験法の規格化が求められています。

・太陽光パネルの強度について
太陽光パネルは長時間にわたって屋外で風雨に晒されるため、その強度に対する信頼性が非常に重要です。
このため、太陽光パネルの仕様には耐風圧などの記載がされるようになっています。
試験方法はJISで定められており、結晶系太陽光パネルの環境試験法、耐久性試験方法(JIS C 8917)、アモルファス太陽光パネルの環境試験法、耐久性試験方法(JIS C 8938)で規定されています。
風による加重に耐えるための耐風圧試験については、送風機と圧力箱を用いた装置で行いますが、簡易的に乾燥砂を太陽光パネルの上から載せていく静荷重試験でも良いとされています。
雹による衝撃に耐えるための降雹試験は、アイスボールを用いて試験を行いますが、簡易的に鋼球を1mの高さから落下させて強度を確認する方法も許可されています。
太陽光パネルを取り付ける際の機械的強度に耐えるための耐久性試験は、ねじり試験として太陽光パネルを剛体枠に固定し、一隅を一定量変化させて問題がないことを確認しています。
また、太陽光パネルの認証を取得するための規格としては、「太陽光モジュールの安全性適合認定-第2部:試験に関する要求」(JIS C 8992-2)においては、破壊した際の壊れ方などを規定することにより、太陽光パネルの安全性を確保しています。

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天意(てんい)

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