みなし認定遅れを巡る太陽光発電業者と経済産業省の思惑

みなし認定遅れの影響


 「事業計画認定が遅くて工事が着工できない!」

 「認定遅れで工事ができないから、代金をもらえない!資金繰りが苦しい!」


 最近、全国各地の太陽光発電業者からこんな怒りの声が聞こえてきます。

 こんにちは、天意です。


 17年4月に蓄電池の単体購入の補助金が打ち切られたのと同時期に、改正FIT法が施行されました。これにより、太陽光発電設備の設備認定ルールが大幅に変わりました。


 従来のものは比較的簡素なものでしたが、この新制度により太陽光発電所の開発、建設、保守、管理まで、さらに事業終了をも含めた事業計画を事業者に策定させるようにしたのです。しかしそれは、経産省の手間が大幅に増えることにもなりました。


 2017年は、この新制度と経済産業省の認定遅れが、中小の販売店、工務店や施工店に多大な影響を及ぼしました。




    頭をかかえる



事業者を苦しめる「認定遅れ」


 ある販売店は、なんと年度初めから夏過ぎまで、一切工事ができませんでした。その理由は「認定遅れ」です。


 経産省は事業を審査して、事業者に認定を与えていきますが、法改正により大幅に工程が増えました。さらに、この新制度は旧基準で認定を取得した事業者にも、事業計画書の提出を求めたのです。


 国内にある、認定を受けていた全事業者を再び審査するということです。結果的に審査は長期化し、中小の販売店、事業者は工事のストップを余儀なくされたのです。


 改正前に認定を取得した、みなし認定の業者にも大打撃を与えました。ある大手の販売店は、抱えている既存の客のみなし認定手続きを代行していますが、それは全てその販売店の社員が無償で行っています。もし顧客から手数料などを取り有償でやると、行政書士の資格が必要になるためです。


 そもそも顧客に手数料を取りにくいということもありますが、大手の販売店だと郵便代などでも相当のコストになります。経産省からの合否を待たずに着工することも可能ではありますが、新築住宅に太陽光発電設備を設置して販売している場合は、それは家を購入してくれたお客さんに、まだ売電収入が入っていない中でローンの返済を迫るということになります。


 お客さんのことを第一に考え、配慮する販売店ほど、工事に踏み切ることができずに足踏みするという最悪の事態になったのです。




    ヨーロッパ屋根パネル



経産省も予想済みだった事態


 事業者が大打撃をこうむった、元凶とも言える経済産業省は、この事実は多少なりとも予想していました。申請書類に不備がなくても、確認完了まで1ヶ月、2ヶ月ほどはかかると見込んでいたのです。


 6月には電子申請システムを刷新したせいなどで、1件の審査に多大な時間がかかるようになってしまいました。申請不備も多く、審査期間が更に伸びてしまい、結局は、不備がないものでも審査になんと3ヶ月はかかると発表したのです。


 7月からは審査する役人を倍に増やして対応し、新規の事業者の10kW未満の認定で1ヶ月、10kW以上50kW未満で2ヶ月の審査期間で安定しました。しかし、みなし認定はそれ以上にかかり、電子申請であれば2ヶ月、書類であれば手入力になるため一部では依然として3ヶ月近くはかかるとされています。


 10kW以上の設備のみなし認定手続きは、9月30日に提出期限を迎えましたが、経済産業省はたとえ提出が遅れたとしても即座に認定失効ではないため、遅れたとしても早めに提出してほしいとしています。一時期に比べると、認定遅れは改善しているものの、中小の販売店や工務店にとっては、3ヶ月、半年といった期間は大きな風穴になりました。




    のどかな太陽光パネル



太陽光発電パネル増設にも規制が


 さらには、9月から太陽光パネルを積み増しするパネル増設にも、新たに規制が加わりました。経済産業省に反対意見が続々と寄せられ、住宅用は対象外となりましたが、改正草案からはほぼ修正されず、そのままで施行されました。


 それまでのルールでは。認定時のパネルの出力がパワーコンディショナーの出力と比べて、同等以上であれば、パネルを積み増ししても、認定時の売電単価のままで売電できました。しかし新制度では、認定後にパネルが増設され、出力が変わるとその時点の価格になり、パネルを増設するメリットが一切なくなってしまいました。住宅用が対象外であっても、事業者からすると、痛手であることには変わりません。




まとめ


 認定の遅れやパネルの増設規制など、2017年は市場の様相が大きく変わりました。これにより、ほとんどの事業者で大打撃は免れませんが、それでも企業努力や再エネ普及への信念がこの逆境を乗り越えさせることでしょう。太陽光発電業界の様な新しい業界には制度変更は付いて回ります。この変化にいち早く対応し、克服する企業こそがこれから迎える安定産業を担っていくのです。




 → 太陽光パネルの増設がついに規制されるのか!?(続報を掲載しました)
 → 太陽光発電の改正FIT法における事業計画の提出方法(WEB申請)
 → 太陽光発電の改正FIT法における事業計画の提出方法(紙申請)



 

太陽光発電の改正FIT法における事業計画の提出方法(紙申請)

 平成29年4月1日に施行された改正FIT法では、平成29年3月31日までに設備認定を受けて、電力会社と接続契約を締結した事業者を「みなし認定事業者」とし、運転開始済みも含めたすべての案件を新制度の認定へ移行するために、事業計画を提出する必要があると定めております。提出期限は平成29年9月30日です。

 ただし、事業計画と言っても今後20年間の計画を細かく記載するというものではなく、発電設備の基本情報を穴埋め形式とチェックを入れるだけの簡単なものです。運転開始済み案件であれば添付資料は必要ありませんので、紙申請でもそれほど時間はかかりません。WEB申請をされる方はさらに早くできますので、「WEBでの提出方法」をご覧ください。


    VISION.jpg

 まず必要書類は下記の4点です。以下からダウンロードする事ができます。


(1) 事業計画書様式

 様式第19 再生可能エネルギー発電事業計画書【みなし認定用】(10kW未満の太陽光発電を除く)
 様式第20 再生可能エネルギー発電事業計画書【みなし認定用】(10kW未満の太陽光発電)
 事業計画書1ページ目の右上「提出者」欄には、認定上の設備設置者の情報を記載の上、実印を押印してください。


(2) 代行提出依頼書様式

 代行提出依頼書は、経済産業大臣への事業計画の提出を移行手続代行センターが代行する事を依頼・容認する意思表示をするとともに、書類の不備等で移行手続代行センターから連絡をする際の連絡先を登録するものですので、重要な書類です。こちらも「依頼者」欄に押印が必要です。


(3) 設備設置者の印鑑証明書

 必ず発行日が3ヶ月以内の原本を添付してください。


(4) 接続の同意を証する書類の写し

 平成29年3月31日時点で売電を開始している場合は不要です。各電力会社ごとに必要書類を整理した表を上記リンクから取得する事ができますので、ご確認ください。



     FAX.png    切手
 インターネットが使えない場合

 インターネットが使えなくて様式をダウンロードできない方向けに、FAXによる様式の取り出しサービスがございます。FAX機能付き電話機をお持ちの場合は、「03-6711-4026」にお電話いただき、自動音声による案内に従って操作していただくと、事業計画書様式や代行依頼書様式などの書類6枚がFAXで印刷されます。

 また、FAX機能付き電話機をお持ちでない場合は、返送先住所と電源種別(太陽光)、発電出力を記載の上、120円切手を貼った角2封筒を移行手続き代行センターに送付してください。そうすると各書式の書類が郵送されてきます。

 必要書類を揃えましたら、書類一式を封筒に入れて下記宛先にお送りください。
   〒273-0011
   千葉県船橋市湊町2-6-33 NTT船橋湊ビル2階
   「再生可能エネルギー新制度移行手続き代行センター」

 

    紙メモ

 ご注意

 原則としまして、一通の封筒には一つの設備に関する書類一式を封入してください。ただし、同一の設備設置者で且つ、同一の代行提出依頼者の場合に限り、代行提出依頼書と印鑑証明書を1枚同封させて、複数の設備ごとの事業計画書を封入していただくことは可能です。


 関連記事

 → 事業計画の提出方法(WEB申請)
 → 改正FIT法施行で対応すべき項目と留意点



 

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改正FIT法施行で対応すべき項目と留意点

 平成29年4月1日に施行された改正FIT法により、太陽光発電事業のルールが大きく変わりました。その中でも事業主が対応しなければならない項目と留意点を以下にまとめてみました。




【事業計画書の提出】
 → 改正FIT法における事業計画の提出方法


【保守点検及び維持管理】
 → 保守・メンテナンスの重要性


【設備の標識を掲示】

    標識

事業主が誰で保守管理しているのは誰か等の基本的な情報を平成30年3月31日までに(未着工案件は着工後速やかに)掲載しなければなりません。至って当たり前のことですが、今まではほとんどの発電所でこういった標識が設置されていなかったため、何かトラブルが発生してもしかるべき業者に連絡できないという問題が起こっておりました。事業主はこの場所で発電事業を行っており、社会に対して責任を負っているのだという事を強く意識するためにも必要なことだと思います。1枚1万円以下で作ることができます。


【フェンスの設置】

 これも当たり前の話ですが、発電所は当然ながら電気を作ってそれを流していますので、不具合があると感電する事があります。それ以外でも架台の出っ張りやパネルの角などで頭を打つこともよくありますので、子供などが中で走り回らないように防護しなければなりません。それと山間などでは獣害も発生します。ケーブルを噛みちぎられたりすると大きな売電損失と修理代が掛かりますので、すぐにでも設置した方が良いです。フェンスの相場は資材が4,000円/m前後で、工賃も4,000円/m前後です。


【運転開始の期限】

 平成28年8月1日以降に接続契約を締結した案件は、10kW以上が認定後3年、10kW未満が認定後1年です。これは設備認定の空押えに対抗する措置です。空押えとは設備認定を取得してもすぐには発電所を設置せず、設備単価が下がるのを待って故意に設置を遅らせるという行為です。これがまかり通ると高い買取価格の案件の割合が不当に高くなり、その業者が不当に高い利益を得てしまいます。そうなると、国民が負担する賦課金も不当に高くなってしまいます。太陽光発電による電気の発電コストをもっと下げなければ安定電源にはなり得ませんので、業界全体で発電コストダウンに協力しなければなりません。


【買取価格決定の時期】

 平成29年4月1日以降の買取価格決定までの手順は、以下の通りとなりました。
1.電力会社に電力需給契約申込みを行う
2.電力会社で設計を行い、完了後に接続契約を締結する(書面は電力会社によって異なります)
  東京電力の場合は、設計が完了すると電力会社から経産省に報告しますので、接続契約を証する書類を提出する必要はありません。
3.経産省に事業計画認定の申請を行う
4.不備が無ければ、1~2ヶ月で認定取得

 上記の通り、制度がより厳格になったと言えますが、逆に今までが緩すぎたのではないかと思います。その緩い制度に付け込むような設備認定の空押えや、杜撰な工事や管理の発電所が幾つも生まれてしまいました。これからは一エネルギーを担う業界として日本国民の為になる太陽光発電所をたくさん普及させていかなければなりません。



 → 事業計画策定ガイドライン
 → 太陽光発電の改正FIT法における事業計画の提出方法



  

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太陽光発電の改正FIT法における事業計画の提出方法(WEB申請)

【概要】
 平成29年4月1日に施行された改正FIT法では、平成29年3月31日までに設備認定を受けて、電力会社と接続契約を締結した事業者を「みなし認定事業者」とし、運転開始済みも含めたすべての案件を新制度の認定へ移行するために、事業計画を提出する必要があると定めております。提出期限は平成29年9月30日です。ただし全く気負う必要はありません。事業計画と言っても今後20年間の計画を細かく記載するというものではなく、WEB上で発電設備の基本情報を埋めるだけのものです。運転開始済み案件であれば添付資料は必要ありませんので、ものの2,3分で完了します。

【ログイン】
 申請に当たっては、電子申請サイトにログインをするためのIDとPWが必要です。これらは設備認定を受けた際に、申請者宛にメール送信されておりますので、販売業者などが申請している場合は、そこから事前にもらっておく必要があります。
 → 電子申請サイトログイン

【申請手順】
1.メニューの「みなし認定設備⼀覧」をクリック
2.「検索」ボタンをクリック
3.「認定状態」の「認定中」を選択
4.検索結果⼀覧より該当設備を選択し「参照」ボタンをクリック
5.「みなし認定移⾏⼿続き」ボタンをクリック
6.太陽電池(パネル)の合計出力を入力 ※認定上の発電出力ではなく太陽光パネルの合計出力
7.事業区域の⾯積、電話番号、メールアドレスを入力
8.設備の所在地を入力
9.接続契約締結日は運転開始済み案件の場合は入力不要。未開始の場合は電力会社によって締結日の定義が異なりますので、電力会社の接続の同意を証する書類の一覧をご参照ください。

10.接続契約締結先を選択
11.電源接続案件募集プロセスへの参加の有無を選択 ※意味が分からない方は「無し」を選択
12.上記10の接続契約締結先と同じものを入力
13.買取価格を入力
14.運転開始状況は運転開始済み案件の場合はチェック
15.以下のチェックボックスのすべてをチェック
16.「認定確認」ボタンをクリック
17.「保存して次へ進む」ボタンをクリック
18.添付ファイルについては運転開始済み案件の場合は不要です。未開始の場合は電力会社によって添付する書類が異なりますので、電力会社の接続の同意を証する書類の一覧をご参照ください。
19.「申請」ボタンをクリック
「認定申請の登録を受け付けました」と表示されれば完了です。

 → 事業計画登録操作マニュアル
 → 太陽光発電の改正FIT法における事業計画の提出方法(紙申請)
 → 改正FIT法施行で対応すべき項目と留意点


 

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プロフィール

天意(てんい)

運営者:天意(てんい)
 太陽光発電初心者が投資に失敗しないための知識や業界の動向を現場目線でお伝えしていきます。
 メディアでは報道されない業界の現状や本当の姿を紹介していければと思います。
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