ソーラーシェアリング

前置き
 農地認定された土地は農業以外に商業利用してはならないという規約があります。
 しかし、その規約が見直され、一定期間商業利用を認める一時転用という考えが広まっています。
 その先駆けとして営農用太陽光発電(ソーラーシェアリング)というものがあります。

見出し1:『新たな土地利用の可能性』
 営農用太陽光発電(ソーラーシェアリング)とは農業を行っている土地で、同時に太陽光による発電を行う仕組みです。
 これにより農業収益の他に、発電した電力を売ることで収益を得ることが出来るようになります。
 この動きは2013年3月末から始まった農地の一時転用の規則緩和によりスタートし、その許可件数は、初年度の13年で100件未満から増加し、16年度で380件程になりました。
 けれども、全体から考えると普及しているとは言い難い状況です。
 営農用太陽光発電設備は特殊な架台を使うため、設置コストが割高なのに撤去時の買い取り価格が一般設備と変わらず、事業者の負うリスクが高くなっているのが原因です。

見出し2:『高い障壁 営農の継続』
 更に、一時転用を認める条件として事業者に出された「営農の継続」の3要点が普及が進まない主な要因となっていると推測されます。

①8割以上の収量
 事業者は農地に太陽光発電設備の設置後も、その農地で取れる平均収量の8割以上を確保することを条件とされます。
 これを満たせなければ一時転用の許可が取り消され、撤去しなければならなくなります。
 しかし収量を量る方法が具体的に示されていないという問題点が不安要素として挙げられています。

②期限3年の一時転用
 事業者は3年ごとに一時転用の申請義務を負います。
 農林水産省は「営農が確認できれば、3年後も継続的に農地の転用を認める」と定めていますが、許可されない場合も想定されます。
 よって金融機関は営農用太陽光発電による収入を不確実とし、融資基準を厳しく設定しているのが実情となっています。

③農業委員会の許認可
 事業者は規則緩和まで農地転用を厳しく取り締まって来た農業委員会に申請し、一時転用の許可を貰います。
 そのため、申請を認可してくれる自治体が増えつつあるなかで、いまだに申請段階で不認可とされるケースも少なくありません。

まとめ:【営業用太陽光で農家の悩みを解決】
 農家の高齢化が深刻な日本では、全ての農地を管理するのは難しい状態です。
 しかし農地によっては最低限の管理が必要となる場所もあり、それらの管理費用は農家にとって頭の痛い問題点です。
 そう言った農地を太陽光発電の場として活用することで、売電収入から管理費用を捻出することができます。
 農地の保全のため、あるいは農業衰退に歯止めをかけるための手段として、営農用太陽光発電は国策として推進していくべき課題となっていくべきでしょう。

太陽光発電で耕作放棄地を甦らせる!ソーラーシェアリングの社会的意義

 2017年6月4日、民進党は「原発ゼロ」社会の実現を目指した再生可能エネルギーなどの促進策を盛り込んだ法案をまとめましたが、なぜこんなに遅くなったのでしょうか。

 こんにちは、天意です。

 太陽光発電業者はすでにかなりの面積の森林に発電所を設置する事を余儀なくされました。もちろん違法開発や危険行為は絶対に許されないことですが、合法的且つ安全に開発している業者に対してさえも、近隣住民の反対運動が起きてしまっている現状があります。

 これは農地の特にその中でも耕作放棄地の転用に関する規制緩和が行われなかったことが生み出した負の現象と言わざるを得ません。


    荒地


 耕作放棄地が持つポテンシャル

 政府は再生エネルギーの割合を30年度に22~24%へ高める計画を打ち出しており、うち太陽光発電は7%で、今より4千万キロワットの上乗せが必要になります。我々太陽光発電業者は、太陽光発電の拡大のため、そして業界で生き残るためにこれからもまだまだ太陽光発電所を作っていかなければなりません。

 日本の国土の13%が農用地でその面積は471万ha、その内10%が耕作放棄地と言われておりますので、耕作放棄地は非常に大きなポテンシャルを持っています。この耕作放棄地に関する規制緩和を行うことが森林開発の問題を解決し、上記の政府目標の達成に大きく貢献することになると確信しています。

 この法案には農地で作物を育てながら太陽光発電も行う「ソーラーシェアリング」の導入に関する規制緩和も盛り込まれておりますが、ソーラーシェアリングは農業と農家を守る上で非常に重要な制度です。



 ソーラーシェアリングの社会的意義

 東日本大震災以来、脱原発、再生可能エネルギーの普及が叫ばれておりますが、国土の狭い日本では徐々に適地が少なくなってきております。そこで必要とされるのが営農を続けながら太陽光発電を行うこの「ソーラーシェアリング」なのです。

 2013年4月1日に農水省から公表されたガイドラインによって「ソーラーシェアリング」も容認されたとも考えられます。ソーラーシェアリングは日本の農業が抱えている農家の後継ぎ不足、農業従事者の高齢化などの諸問題を解決する可能性を持っています。

 農家の高齢化は深刻で、耕作放棄地が増えている現状があります。その上草刈りなど最低限の管理費用すら払えない農家が多くなっています。そういった問題を解決する為にソーラーシェアリングの事業化を促進し、農地の保全や農業衰退に歯止めをかける事ができれば、その社会的意義はとても大きいものになります。

 上述の通り、日本の農用地は471万haあります。その内の1%でも設置できるとすると、日本の総電力需要の15.6%を賄うことができます。よって、ソーラーシェアリングには日本のエネルギー問題を解決させる可能性が秘められていると言えます。


    畑


 ソーラーシェアリングの規制緩和に期待

 今までの国の方針は農地転用の条件をとても厳しくし、簡単には農地を農業以外には使わせないというものでしたが、この方針では農業と農家を守っていることにはならず、どちらかと言うと農地だけを守っていることになっていると言わざるを得ません。農地だけを守ったところで、農業で儲かる仕組みを持っていない農家は耕作をすることができません。よって、農地は結局は耕作放棄地となり何の生産性の無い土地となってしまうのです。

 それを打開する政策であるはずのソーラーシェアリングの制度が、こうも規制が厳しくては有形無実制度と言わざるを得ません。これからはソーラーシェアリングの規制緩和を強力に押し進め、農家が儲かる仕組みを構築し、農家が安心して農業を行うことができるようにしなければ、本当に日本の農家は衰退し、食料自給率も世界性低水準にまで落ち込んでしまうことになってしまいます。


 → 太陽光発電が長期安定稼働の為に守るべき!メンテナンスのガイドライン
 → 太陽光発電業者は”儲け原理主義”を改めて、地域還元を心掛けるべし!



 

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天意(てんい)

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