感電事故が増加

増加する感電事故

史上初めて大きさが「超大型」のまま上陸した台風21号。強風域の直径が最大で2200kmとなり、これは統計開始以来2番目大きさとなりました。この大型台風は、日本各地に多大な被害をもたらしました。
被害に遭われた方々にお悔やみとお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復旧をお祈りいたします。

今年は、「大型」「超大型」といわれる台風が多く、建物への被害も多数出ました。
台風による大雨や、局地的な豪雨により、太陽光発電設備の浸水・破損などの被害の発生が多発しています。
太陽光パネルは、たとえブレーカーを遮断しても、線がつながっていなくても、光があたれば発電します。
そのため、水害にあった太陽光発電パネルを撤去しようとして感電する事故が懸念されています。


・経済産業省から自治体、関連団体へ周知された内容
先日、太陽光発電事業設計・施工研修会に参加したのですが、その際にも資料が配布されていました。


1.太陽電池発電設備(モジュール(太陽光パネル)、架台・支持物、集電箱、パワーコンディショナー及び送電設備(キュービクル等))は、浸水している時に接近すると感電するおそれがあるので、近づかないようにしてください。 

2.モジュール(太陽光パネル)は、光があると発電していますので、触ると感電するおそれがあります。漂流しているモジュール(太陽光パネル)や漂着・放置されているモジュール(太陽光パネル)を復旧作業等でやむを得ず取り扱う場合には、素手は避けるようにし、感電対策(ゴム手袋、ゴム長靴の使用等)などによって感電リスクを低減してください。

3.感電のおそれがある太陽電池発電設備を見かけましたら、周囲に注意を呼びかけるとともに最寄の産業保安監督部または経済産業省までお知らせいただきますようお願いします。

4.壊れた太陽電池パネルを処理する際には、ブルーシート等で覆い遮蔽するか、パネル面を地面に向けて、感電防止に努めて下さい。また、廃棄する際は自治体の指示に従って下さい。   
水が引いた後であっても集電箱内部やパワーコンディショナー内部に水分が残っていることも考えられます。この場合、触ると感電するおそれがありますので、復旧作業に当たっては慎重な作業等を行う等により感電防止に努めてください。

5.水が引いた後であっても集電箱内部やパワーコンディショナー内部に残った湿気や汚損により、発火する可能性がありますので、復旧作業に当たっては十分な注意を払い電気火災防止に努めてください。


出典:太陽光発電設備が水害によって被害を受けた場合の対処について 一般社団法人太陽光発電協会




・ガイドラインに追加された報告義務
固定価格買取制度(FIT)の「事業計画策定ガイドライン」に則って、一般社団法人太陽光発電協会が「太陽光発電保守点検ガイドライン」を策定しました。
その中に、「事故が発生した場合、電気関係報告規則、消費生活用製品安全法の定めに従い、事故報告を行うこと」と記載されています。
事業者は、管轄する産業保安監督部に対し事故を報告する義務があるということを明記しているのです。説明会では、これは事故多発をうけて追記された部分であると解説されていました。

・消火活動中の消防士が感電するケースもある
今年、アスクルの倉庫で火災が発生し、なかなか鎮火せずニュースになったことがありました。
消防本部から発表された、鎮火が遅れた原因としては、
1. 倉庫内に燃焼しやすい商品が多いこと
2. 建物面積が大きいこと
3. 建物の2階と3階に窓がほとんどなく放水が難しいこと
というもので、太陽光パネルが直接の原因となったかどうかは定かではありません。
しかし、消防庁が発表している「太陽光発電システム火災と消防活動における安全対策」では、消防車から一斉に棒状の放水を行うと放水された水を伝わって感電する恐れがあるため、棒状注水を行う場合には6メートル以上の十分な距離をとり、基本的には噴霧注水をするように指導しています。
また、同資料では太陽光パネルの燃焼実験を実施し、火災における燃焼性状、発電特性、燃焼後の損傷状況などの検証を行っています。

太陽光発電システム火災と消防活動における安全対策(消防庁 消防大学校 消防研究センター)
http://nrifd.fdma.go.jp/publication/gijutsushiryo/gijutsushiryo_81_120/



この実験によると、太陽光パネルを設置した建物が火災に見舞われた際に、昼間はもちろん、夜間の消化活動であっても火炎の光により発電している恐れがあるということも実証されています。
また、パネルが損傷を受けて出力電圧が低下もしくは0Vになっても、時間の経過を経て電圧が回復するということもわかっています。

・事業者に標識設置の義務化がすすんでいる
消防活動における事故防止のために、太陽光発電事業者側にも対策が求められています。
前述の「太陽光発電保守点検ガイドライン」に、「防火対象物に求める感電防止対策として、消防活動における、消防隊員の感電危険を低減するために、必要に応じ、表示などを行う。」と記述されています。
パワコンや接続箱などの機器本体に、「容易に確認できる位置に一か所以上」表示(標識など)をすることが求められているのです。
また、太陽光発電の事業終了時に、資材の適切な撤去についても言及されています。
今後の課題として、「安全に」「環境に配慮した」撤去方法があげられるでしょう。
いずれも、現段階では法律としての義務化されていませんが、感電事故の増加により今後検討されることが予想されます。

太陽光発電の国による買取保証と賦課金の仕組み

 再生可能エネルギーの固定価格買取制度が始まってから現在まで、太陽光発電は住宅用よりも産業用の方が圧倒的にたくさん作られました。それはなぜでしょう?


 こんにちは、天意です。

今回は産業用太陽光発電の導入が爆発的に伸びた背景をお話ししていきたいと思います。




投資としての側面が強い産業用太陽光発電


 住宅用太陽光発電は、自分で使い切れなかった電力、いわゆる「余剰電力」しか売ることができません。そしてその売電期間は10年です。しかし、産業用の設備なら、発電したすべての電力を売ることができるのです。しかもその売電期間は20年です。言い換えれば、売電による利益だけを考えて発電することが前提で、制度が作られているということになります。


 産業用の太陽光発電は、ただ制度上そうなっているだけではなく、他にも様々な面で投資を考えられた作りになっています。例えば買取期間は住宅用は10年でしたが、産業用は20年間保証されており、買取価格こそ住宅用よりも若干安価ですが、住宅用よりも10年長く売電することができます。


 不動産では、建物そのもののトラブルだけではなく、空室や家賃の滞納など、想定していた利益が入らないということが往々にしてあります。しかし太陽光発電ではそういったことは一切なく、固定価格で買い取られる=想定通りの利益が出る、という制度になっています。


 さらに、太陽光発電は非常にシンプルな構造の投資でもあります。発電した電気を買い取るのは、日本全国に存在する電力会社です。選定が面倒な第三者などはなく、すぐに買い取ってくれるシステムが完全に構築されているのです。


 一方不動産では「信用」が非常に重要な要素となり、どういった人に部屋を貸すのかというところから考える必要があります。他にも賃借料など考えるべきことがたくさんありますが、太陽光発電ではそうしたことは一切ありません。


 固定価格買取制度により、他の投資では切っても切り離せない「リスク」という部分が大幅に軽減されているということなのです。


    ビジネスミーティング



電力買取りの原資は「再エネ発電賦課金」


 住宅用や産業用太陽光発電の買取に使われるお金は、その地域の電力会社に支払った電気料金から捻出されています。お使いの電力会社から送られてくる明細書を見ると、おそらく「再エネ発電賦課金」という項目でも料金が発生しているはずです。これが太陽光発電の買取りに充てられています。


 賦課金の額は、その月に使用した電力量によって算出されます。例えば2015年にはキロワット/時当たり1.58円で、月300キロワットの使用だった場合474円の賦課金が発生しました。


 また2017年現在、日本のほとんどの原子力発電所が停止しています。2011年の原発事故まで原子力発電で賄っていた電力は相当な量に上り、この分を再生可能エネルギーなどの原子力以外で賄う必要があるのです。




背景には、再生可能エネルギーの早急な整備が


 この再生可能エネルギーの整備の背景には、国の強力な推進力があります。これまでメインの電源であった水力、原子力、火力は、昼夜を問わず低コストで発電できる「ベースロード電源」として残し、火力の中でも資源の必要な天然ガス火力やコストがかかる石油火力発電は、ミドル電源やピーク電源としてバックアップ的な存在にし、多層のエネルギー構造を構築しています。


 しかし、水力こそ安全ですが、火力の中でも石炭火力は温室効果ガスを排出し、原子力は核廃棄物が出るため、それらは環境への影響が懸念されています。石油は中東危機などが価格に跳ね返り、安定した供給は難しいとされています。


 太陽光や風力は設備コストこそ高いですが、環境への悪影響や資源価格変動のリスクがゼロなうえ、日本全国どこでも得ることができるエネルギーなため、有効活用が期待されています。


 そこで固定価格買取制度で電力を買い取る方式なら、投資目的の企業や投資家がこぞって参入することによって、市場原理が働くことによるコスト競争や技術革新が期待できます。コストが下がれば当然、システムの設置はますます広がっていきます。


 この目論見は的中し、あらゆる土地で太陽光パネルが設置され、数々の大手企業が発電事業の参入に踏み切りました。これからもこの勢いは衰えることなく、参入する企業や投資家は増えていくと考えられています。


    太陽光発電投資家




プロフィール

天意(てんい)

運営者:天意(てんい)
 太陽光発電初心者が投資に失敗しないための知識や業界の動向を現場目線でお伝えしていきます。
 メディアでは報道されない業界の現状や本当の姿を紹介していければと思います。
 → 詳しいプロフィール
 

 
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