太陽光発電業者は”儲け原理主義”を改め、地域還元を心掛けるべし!

 「パネルが山林に並び、景観を害している・・・」、  「パネルの反射光が眩しい、暑い・・・」

 「風雨で架台が倒壊した、土砂が流れてきた・・・」、  「発電設備が近すぎて、視界が遮られた・・・」

    傾斜地パネル

 こんにちは、天意です。

 全国各地で上記のような太陽光発電に対するクレームや反対運動が増えています。この原因の多くは発電事業者や販売業者の自己中心的な開発とFIT制度からくる利益の偏重であると言えます。こうした近隣住民の反対に対して事業者側はどのように対応していけば良いのでしょうか?



 太陽光発電に対する反対運動事例

【山梨県北杜市】
 太陽光パネルが道路の脇を埋め尽くし、反射光でドライバーの視界が奪われかねない区画もあれば、明らかに強度不足と思われる設備も散見されます。森林を伐採してパネルを設置した現場も多く、景観が乱れるので、事業者は設置場所をもっとよく考えるべきでしょう。

【静岡県伊東市】
 言わずと知れた海の景色が綺麗な伊豆の温泉街ですが、山林にメガソーラーを建設する計画があります。景観の悪化や生態系への影響、さらに土砂が付近の海に流入する可能性を懸念されています。市議会も「地域住民の総意を尊重し、住民の自治権を侵害する大規模な開発行為には反対する」と決議しました。

【京都府南山城村】
 メガソーラーを建設する計画がありますが、説明会で登壇した人物に反社会的勢力との交際疑惑が浮上しました。生態系への影響や土砂災害の発生懸念の他、太陽光パネルからのカドミウムの流出が懸念されています。

    反対運動

 事業主と自治体の対応

【事業主に必要な配慮や努力】
 確かに自分の土地の使い方は原則当人の自由ですが、周囲への配慮も必要です。実際に発電所の建設に不満を抱く住民がいるのですから、せめて真摯に話し合って、理解を得る努力をするべきです。
 言うまでもなく、強風でパネルが飛散し、近隣に被害を与える事故が発生しないとは言い切れません。よって、リスクも想定し、充分強度のある発電所を規格に準じて建設しなければなりません。

【自治体の規制強化】
 パネルの設置面積が1000㎡超や設備容量50kW以上の発電所は、着工の何日前までに設置届を自治体に提出しなければならないといった規制が全国各地で敷かれ始めています。自治体によっては雨水対策で堤防や浸透槽の設置を義務付けたり、架台やフェンスの色を限定するところもあります。
 中には地元住民の賛同を得ることを条件としている自治体もありますが、ほとんどの場合は高圧発電所を対象としたもので、低圧発電所にはまだまだ規制がかけられていないのが現状です。



 不満の本質は利益の偏重にあり

 例えば北杜市にある発電所の内8割が市外の事業者のもので、市民には一切メリットがないと言えます。太陽光発電は反射光や景観の悪化など、周囲に迷惑をかけることがありますが、事業者は周囲に対して保障をしていません。それどころか、賦課金という仕組みによって、迷惑を被る側が迷惑をかける側にお金を支払って支援している状況です。これは制度の大きな欠陥だと言えます。

 つまり、事業者が太陽光発電所を建設する最大の目的は自身の利益の為であり、しかもそれができるのは一部の企業と富裕層だけです。賦課金の仕組みでお金持ちをより豊かにする為に、国民が負担を強いられるという構図になってしまっています。これでは地元住民にとっては面白くとも何ともなく、反対運動が起こるのは当然と言えます。

   論争

 地域に根差した発電事業で住民にも恩恵を

 では、事業者はどの様な青写真を描けばよいのでしょうか。それは太陽光発電は誰が何の為に取り組むのかが重要で、地域に根差した発電事業であれば反対運動は起きにくいのではないでしょうか。

 例えば、市民が小口資金を出し合って共同で建設する市民太陽光発電所があります。この事業は地域住民が主体的に太陽光発電に取り組むことが大切です。それによって住民が太陽光発電の利点を理解し、世論に支持されることにつながります。回りくどいようですが、長い目で見れば導入量が増えるはずです。
 地域に根差した取り組みとは、太陽光発電所が建つ土地の近隣住民に太陽光発電の恩恵を受けてもらうことなのです。



 今後必要なのは地域との共存共栄

 低炭素社会の実現とエネルギー安全保障の向上を目指すうえで、太陽光発電の普及は欠かせません。日本政府もそれを実現すべく目標を掲げています。その大義と地域住民の反発は次元の異なる問題であり、同一線上で議論するものではありません。

 FIT制度は、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーの普及拡大を目的に、投資家を呼び込んで市場を形成し、設備コストを下げるという目的があります。実際にコストは劇的に下がっており、その点においてはFIT制度の意義は大きいです。ただし、制度の運営においては前出の課題があり、対策は急務です。

 太陽光発電が国民に広く支持されるためには、まず市民の為の電源として認められなければなりません。パネルの設置による近隣住民の生活環境の変化に住民が不安を抱くのは当たり前のことです。事業者はその不安を想像し、それを取り除いてあげなければなりません。

 売電が続く20年の間、地域住民との共存共栄の継続が実現すれば、その時こそ、太陽光発電が初めて国民の為の基幹電源になることができるのです。


 → 太陽光発電が長期安定稼働の為に守るべき!メンテナンスのガイドライン
 → 太陽光発電のトラブルに注意!同じ失敗をしない為のO&M手法は?




 

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