太陽光発電の国による買取保証と賦課金の仕組み

 再生可能エネルギーの固定価格買取制度が始まってから現在まで、太陽光発電は住宅用よりも産業用の方が圧倒的にたくさん作られました。それはなぜでしょう?


 こんにちは、天意です。

今回は産業用太陽光発電の導入が爆発的に伸びた背景をお話ししていきたいと思います。




投資としての側面が強い産業用太陽光発電


 住宅用太陽光発電は、自分で使い切れなかった電力、いわゆる「余剰電力」しか売ることができません。そしてその売電期間は10年です。しかし、産業用の設備なら、発電したすべての電力を売ることができるのです。しかもその売電期間は20年です。言い換えれば、売電による利益だけを考えて発電することが前提で、制度が作られているということになります。


 産業用の太陽光発電は、ただ制度上そうなっているだけではなく、他にも様々な面で投資を考えられた作りになっています。例えば買取期間は住宅用は10年でしたが、産業用は20年間保証されており、買取価格こそ住宅用よりも若干安価ですが、住宅用よりも10年長く売電することができます。


 不動産では、建物そのもののトラブルだけではなく、空室や家賃の滞納など、想定していた利益が入らないということが往々にしてあります。しかし太陽光発電ではそういったことは一切なく、固定価格で買い取られる=想定通りの利益が出る、という制度になっています。


 さらに、太陽光発電は非常にシンプルな構造の投資でもあります。発電した電気を買い取るのは、日本全国に存在する電力会社です。選定が面倒な第三者などはなく、すぐに買い取ってくれるシステムが完全に構築されているのです。


 一方不動産では「信用」が非常に重要な要素となり、どういった人に部屋を貸すのかというところから考える必要があります。他にも賃借料など考えるべきことがたくさんありますが、太陽光発電ではそうしたことは一切ありません。


 固定価格買取制度により、他の投資では切っても切り離せない「リスク」という部分が大幅に軽減されているということなのです。


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電力買取りの原資は「再エネ発電賦課金」


 住宅用や産業用太陽光発電の買取に使われるお金は、その地域の電力会社に支払った電気料金から捻出されています。お使いの電力会社から送られてくる明細書を見ると、おそらく「再エネ発電賦課金」という項目でも料金が発生しているはずです。これが太陽光発電の買取りに充てられています。


 賦課金の額は、その月に使用した電力量によって算出されます。例えば2015年にはキロワット/時当たり1.58円で、月300キロワットの使用だった場合474円の賦課金が発生しました。


 また2017年現在、日本のほとんどの原子力発電所が停止しています。2011年の原発事故まで原子力発電で賄っていた電力は相当な量に上り、この分を再生可能エネルギーなどの原子力以外で賄う必要があるのです。




背景には、再生可能エネルギーの早急な整備が


 この再生可能エネルギーの整備の背景には、国の強力な推進力があります。これまでメインの電源であった水力、原子力、火力は、昼夜を問わず低コストで発電できる「ベースロード電源」として残し、火力の中でも資源の必要な天然ガス火力やコストがかかる石油火力発電は、ミドル電源やピーク電源としてバックアップ的な存在にし、多層のエネルギー構造を構築しています。


 しかし、水力こそ安全ですが、火力の中でも石炭火力は温室効果ガスを排出し、原子力は核廃棄物が出るため、それらは環境への影響が懸念されています。石油は中東危機などが価格に跳ね返り、安定した供給は難しいとされています。


 太陽光や風力は設備コストこそ高いですが、環境への悪影響や資源価格変動のリスクがゼロなうえ、日本全国どこでも得ることができるエネルギーなため、有効活用が期待されています。


 そこで固定価格買取制度で電力を買い取る方式なら、投資目的の企業や投資家がこぞって参入することによって、市場原理が働くことによるコスト競争や技術革新が期待できます。コストが下がれば当然、システムの設置はますます広がっていきます。


 この目論見は的中し、あらゆる土地で太陽光パネルが設置され、数々の大手企業が発電事業の参入に踏み切りました。これからもこの勢いは衰えることなく、参入する企業や投資家は増えていくと考えられています。


    太陽光発電投資家




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